「大江戸 お寺繁盛記」 

安藤優一郎  平凡社新書   平成2219

 幕藩体制の中で、したたかに生きる寺の実態。上は将軍家の廟所の誘致合戦。これは寛永寺と増上寺の話。徳川家の菩提寺は浄土宗の増上寺なのだが、家光の帰依により寛永寺の巻き返し。菩提寺とならなくとも、成田山などが、ご開帳や講中の組織化などで勢力を拡充していく話。 

 世の中が安泰になると、心の悩みよりも娯楽を求める風潮。その流をつかまないと寺も存続が危うくなるようだ。むしろ、人々の交流が制限されている時代に、唯一権力の目を恐れずに人々が集まることが出来た場所だったことに積極的な意味を見出すべきか。ある意味では解放区だったといえるのかも。講という組織の現代的な意味が再認識されるべきか。