「中学理化の教科書  物理・化学分野」

  滝川洋二編  ブルーバックス  平成22128

昔の理化の教科書がなんと面白くなかったことか。ひとつには、試験のための勉強として向かい合ったことがあるのだろう。そういう意味では、試験科目でないものは気楽に読める。それに、最近の科学の発展は目覚しく、中学の教科書でも最先端の知見までを視野の片隅において書かれているので、面白い。例えば宇宙に存在する物質の98パーセントは水素とヘリウムだということ、地球に存在する物質の半分は酸素であること、人体の65パーセントは酸素であることなどは初めて知った。もっとも最後の事実は動物の体の70パーセントが水であるということと同じことなのだが。

 砂糖や塩はなぜ水に溶けるか、水と油はなぜ交じり合わないか、など分子の結合の話から説明されていて興味深い。ただこれは中学の範囲を超えているように思われるのだが。中学のレベルはここまでと決めてしまわないほうが理化離れを食い止められそうな気がする。興味あるヒトはどれだけでも学んでくださいと。