「誰でもなる! 脳卒中のすべて」
植田敏浩 集英社新書 平成22年4月8日
先日、友人の一人を脳梗塞で亡くした。近所でも脳梗塞は大流行である。最近の総理大臣でも佐藤栄作、田中角栄それに小渕恵三と三人亡くなっている。これは、頭の病気でなく血液の病気である。そういう意味では心筋梗塞と親戚なんだろう。さらに脳内出血や、くも膜下出血なども仲間になってくる。出血と梗塞がどうして仲間かというと、それはコレステロールなどで血管にできた異常が、外側に膨らんだものが出血であり、内側に出たものが梗塞であるという。そして、脳の中で血管が詰まったり、破裂したりすると、それより下流の脳細胞に酸素が行渡らなくなって、死んでしまい運動の障害が生じることになり、ひどい場合は本体が死んでしまうということである。
検査の方法や、詳しい説明は素人が知っても仕方がないのであるが、本当に知っておかなければならないことは「その兆候を見逃さないこと。そしてすぐ救急車で病院に行くこと。」である。
兆候は、アメリカでは「FAST」といって ①F Face 顔の痙れん ②A Arm 腕(脚も含めて)の麻痺=つかめない、立てない ③S
Speech ろれつがうまく回らない。 などが指標だそうだがそのほかに一時的なクラミなども兆候となることがあるという。そういう症状が数分だけ見られて消えてしまった。消えてしまえば普通は安心して仕事を続けたりしてしまうが、それでも救急車を呼べというのがこの本の主張である。放置すれば、かならず近いうちに本物の脳梗塞が来るのだという。まだ軽いからといえる状況ではないのである。今度来たらおしまいだと思うことです。
こういう兆候はかならず左か右の半身に現れるのも特徴だそうです。それは脳の左半分が、体の右半身の神経とつながっているということによるのだそうです。それともうひとつの特徴は、「突然」ということらしいです。
血管の破裂は、とても頭が痛いそうですが、ピンホールからジワリと出血する場合はカゼの症状と同じだそうです。いずれにしても救急車に乗らなければならないのは同じでしょう。そうでないと早く看てもらえないのです。
冒頭に書いた友人の場合は、なんだか変だなと思ってから入院するまでに一ヶ月以上かかりました。かれはその20年近く前にも一度脳梗塞を経験しているのです。どうしてそれに気がつかなかったのか、悔やまれてなりません。動きが悪くなったのは年のせいだ位に考えていたのでしょう。テニスのサーブがうまく出来なくなって、怒鳴ったこともありましたが、なんと可哀相なことをしたものか。
小渕さんの場合も、しばらく前からろれつがおかしかったといいます。それでも彼は、重大な政治問題をかかえていて、緊張しているんだろうと、みんなが思っていたのですから。これがそれだということを的確に判定することはなんと難しいのでしょう。